まさかの「慢性骨髄性白血病」夫を支える妻blog

がん罹患者の家族のblogです。

グリベックの副作用「皮膚障害」:夫の場合★2017.8月

副作用との戦いがスタート

夫が慢性骨髄性白血病の治療を初めて2か月が経ちました。

通常は4錠投与であるグリベックを、夫は持病との兼ね合いから1錠からスタートして2錠へ増量し、現在は血液学的官界の状態となって継続治療しています。

 

最近、夫には湿疹が出るようになりました。また、一時的に「ろれつが回らない」ことがあり、脳のCT画像で何事もないことが確認されましたが、妻としてはぞっとすることの連続で、痩せる思いです。実際にはストレスから過食気味ですけど。

慢性骨髄性白血病になったからと言って、他の病気にはならないというわけではありません。ぞっとした、という話をしたところ、息子は心配し過ぎ、と笑いました。

 

「そんなに次から次へと病気が襲ってきたリ、せんやろ、ドラマじゃあるまいし。」

 

まぁ、そうですよね。夫の体型や既往症から考えると、慢性骨髄性白血病よりの脳出血の方がうんと確率は高く思えますけど・・・

 

夫の皮膚症状は「赤い湿疹」で、腹部から背中、脚の一部に現れました。見るからに痒そうなのですが、夫は「痒くもなんともない」といいます。今日は予定を繰り上げての検査へ出かけました。

現在出現中の副作用と思われるもの

妻目線から「副作用と思われる」ものについて、記録しておきます。

  1. 体温が高くなった。(いつも冷たかったのに、最近は私より温かい)
  2. 寒がりになった。(クーラーを消す、なんて今まででは考えられない)
  3. 湿疹が出た。(かわいそうなくらい赤い痛そうに見える湿疹!)
  4. ろれつが回らないことがあった。(一度だけ、見当識障害?って思った)
  5. キレやすくなった。(これ、けっこうショックです)
その為の行動の変化として、妻が感じるのは彼が「あまり我慢をしなくなった」ということです。要するに、欲しいものは(高価すぎるものを除いて)買うようになった、ということでしょうか。
 
3週間ほど前に、夫はバッグを買いました。ポールスミスのもので、決してお安い買い物ではありません。

ポールスミス Paul Smith ボディバッグ 斜め掛けバッグ ワンショルダーバッグ

これを買ったばかりにもかかわらず、タブレットも持ち歩きたいから、と言い出して、また別のバッグを買いました。ポーターの。(画像が見つかりませんでした)

そんなに余裕があるなら、私の欲しいものも買ってもらいたいものです。あ、うちは今のところ生活費を妻が貰っている、という家計管理方法です。

 
また、小さなことで「怒る」ようにもなりました。夫は、声を荒げるようなことは一年のうちに数回あるかどうか、というところですが、このところ不機嫌になることも多く、怒りを隠そうともしません。先日も、とあるものが見つからない、と電話をかけてきて即答できない私に「もういい!」と言って電話を切ってしまいました。私はそれがどこにあるのかわからなかったのではなく、彼の剣幕に驚いて息をのんでしまいました。ショックでしたが、夫はそのあと何事もなかったかのように仕事帰りの私を迎えに来てくれました。

 

普段の彼とは違う、その様子に、これって副作用なのか、それとも病気を原因とする「不安行動」のひとつなのか良くわからずに戸惑いますが、妻としてその気持ちを理解し、寄り添いたいと考えています。


いま、夫は普通に仕事をしています。

先日も現地調査に朝3時前に家を出たり、台風の中を不始末の処理に出かけたり。妻としては病気でなくても心配になるような出来事も起きます。

これからも今と同じように仕事を続けられるかどうかは誰にもわかりません。私があれこれ不安に思っても思わなくても、結果はきっと変わらないでしょう。

がんとともに働けることはありがたいことです。問題も起きるかもしれませんが、ひとつひとつ解決するようにしていきたいものです。

ganjoho.jp 将来的な経済的不安に何ができるのか

夫の職業ライフが「病気次第」になってしまったのですから、残るのは私の収入です。

今後、頑張って私の今の収入を増やすことができるのか、と考えるとそれはなかなか難しそうです。では何ができるのか。

節約、でしょうか。そして、私が健康でいる、ということも大切でしょう。

若ければ転職も視野に入れるでしょうが、普通の主婦が50歳を過ぎて転職は無謀と言えるでしょう。

では、節約って、何をどうしたらいいんでしょう。

苦手ですけど、それ、料理ですね。働いていることを理由に怠けていた「料理」をすることで出費を減らし、家族の健康について考える、きっとそれが今の私にできることなのでしょう。

自分でどうにもできないことは悩まない

「もしも万が一」に備える保険の仕事をしているせいなのか、私は起きていないことにも備えようとしてしまいます。要らぬ心配が多いのが欠点です。思い悩んでも自分ではどうにもできないことは、もう悩まないようにしよう、と思います。

夫婦、家族が仲良く暮らすこと、これが一番の願いです。病気でも、将来が不安でも、それでも今、幸せを感じながら生活することが、一番大切。

まぁ。今のところは夫の収入も減る気配はありませんしね。心配し過ぎは毒にしかならないような気がしてきました。

きっと、この結論に至るまでが私は「長くかかる」タイプなのでしょう。

 

病気になるといろいろなことが不安になりますよね。でも、今できることを精一杯やることで、前を向くことができるはず。

がん患者さんやその家族が向き合う「葛藤」を自分が体験することになって初めて、そのつらさを知りました。同じ体験をする者同士、つながることが出来ればいいな、という気持ちも芽生えてきました。

でも、実行に移すのはもう少し先かな。自分自身の気持ちも、まだ整理しきれていないというか、まだまだ迷子の状態です。

こうやってブログに書くことで、発散出来て整理もできるのがうれしいです。そしてもし、この文章がどなたかの慰めになるのなら・・・

 

いやー。ほんと。まさか。まさかって思いますよね。

もう私の人生に「まさか」が起こらないことを願うばかりです。

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魚食屋れすとらん びび

2017,8,2(水)晴れ ランチデート 魚食屋れすとらん びび

 

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私はシフト制の仕事をしています。夫は土日が休みなのですが、最近は検査のために平日も休みを取るようになりました。

病院は午後1時の予約になっていて、12時前に採血へ行き病院の食堂でランチを食べて診察を受ける、という流れになっていたのですが、

 

朝早くに採血をして、美味しいランチを食べた後で診察へ行く

 

というようにすれば、待ち時間も省略出来て美味しいものも食べられるんじゃないか、ということになり。

 

夫が以前より行ってみたいと話していたお店へ行くことになりました。ネットで営業時間を調べていた夫の様子を見ていた私は「予約すればいいのに」と思いましたが、控えめな性格なので(笑)黙って彼の運転する車に乗って出かけました。

 

お店の人に茶碗蒸しを勧められて、勧められるままにオーダーしたのが「茶碗蒸し」

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隠れて見えませんが、中には「牡蠣」が入っています。タバスコをかけて食べるとおいしいというのでかけてみると酸味と辛みが味を引き締めておいしい。

 

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茶碗蒸しを食べた時点でかなりお腹がいっぱいでしたが、それでもペロリ。

このあと、ご飯とお味噌汁とお新香が。他のテーブルのオーダーを聞くと、「ごはん少な目」という方も多いようでした。

 

ランチデートとはいっても、会話は少なめ。結婚20年の夫婦なのでそれくらいが自然でしょうか。

慢性骨髄性白血病と診断されて、強い恐怖を味わったけれど。

通常の成人の場合4錠が処方されるイマチニブ(グリベック)を半分の2錠で様子を見ている夫。今のところ大きな副作用は出ていません。本人は自覚症状はない、と言っています。

糖尿病の治療もしていますが、少しずつ数値は良い方向へ経緯しています。

現在心配されているのは「骨髄抑制」という副作用ですが、本日の検査結果からも「下げ止まり」かな、というお話で、しばらく様子を見たうえで3錠に増やしましょう、という話でした。

治療当初は低用量でも、やはり4錠へ向けて増量していくということのようです。

 

我が家はこれから大学へ進学する高校三年生がいますが、今日、夫がポロリとこんなことを言いました。

「アイツが大学を卒業したら、管理職じゃなくて、のんびり仕事をしてもいいよね」

弱気ともとれるような発言をすることが珍しい夫。

私は少しびっくりしました。発破をかけるつもりで「具合悪くないんでしょ?私が受け取る遺族年金に影響するから、働けるならガッツリ働いてよぉ。」と笑っていいましたが、「それもそうだね」と夫。いやいや、遺族年金なんて大して変わらないから。

 

夫はそういえば、しばらく前にこんなことも口にしていました。

慢性骨髄性白血病って進行性の病気だよね。薬って進行を抑えるだけで治すわけじゃないんだよね」と。

ドクターの説明や書籍やネットの情報から、彼の言うことに間違いはないと思います。

「ずっと高額な抗がん剤を飲み続ける」とか「進行を抑えるだけ」とか「薬が効かなくなったり副作用が強く現れたら次の手段もある」などと言われ続けたら、相当のストレスでしょう。配偶者である私も、人生が危うくなったような不安を覚えます。

 

ランチデートも記録に残しておくことにしました。好きなものが食べられなくなる日もいつかやってくるかもしれません。

悪性リンパ腫を経験した知り合いは、お刺身なども食べられない時期があると話していましたし。

 

健康に気を配りながらも、彼が好きなことができるように、サポートしていきたいと気持ちを新たにしたのでした。

 

魚食屋れすとらん びび

gyoshokuya.com

遠隔診療が現実化しつつあるという記事を読んで。

私は割と早くからスマートフォンを使い始めました。ツイッターをしてみたい、という理由からでした。それは勝間和代さんの書籍の影響でした。思い出深い愛機なので、大切に保管してあります。2009年初秋。3GSが発売されて間もない時期で、同僚の中でただ一人のiphoneユーザーだった男性に親切に使い方を教えて貰いました。

iPhone 3GS - Wikipedia

この、ころんとしたフォルムがかわいくて好きでした。

そして、手のひらでいろんな情報にアクセスできることが楽しくて、そしてツイッターFacebookなどなど、見知らぬ人とつながれる楽しさにも虜になりました。

夫の転勤で見知らぬ土地に移り住んだ私は、このiphoneの小さな画面から、たくさんの友情を得ることが出来ました。

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あの頃は、SNSなどに拒否反応を示す同年代も多かったので、逆にネットでつながる人たちは「拒否反応を持たない好奇心旺盛組」だったのかもしれません。

 

いつの間にか身の回りの多くの人がスマホユーザーになりました。

逆に「そんなに機能は必要ない」と格安スマホへ乗り換える人の話も聞くようになりました。時代はどんどんと変わっていくのね、と実感する今日この頃。

そんな時に、遠隔診療が現実化しつつある、という記事を読んだのです。

 スマートフォンなどの端末に、何を期待するのか。それを考えるきっかけにもなりました。

遠隔診療って、もう未来の話じゃないのね。

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夫に付き添って、あるいは義母に付き添って、私は通院地獄(言い過ぎかな)を実感しています。

夫は慢性骨髄性白血病の治療のため、週に一度の通院をしていますが、その為に勤務体制を調節しています。土日が休みでしたが、平日に一日休みをもらい、土日のどちらかを出勤しています。そして、平日休みの半日は「通院」のために時間を割くことになりました。検査のために3~6本ほど血液を採り(夫は時折、献血してるみたいだと言います)その結果が出るまで一時間ちょっと、待たされる時には、午後診察であるにもかかわらず、2時間近く待合室にいることも。

 

義母の場合、我が家から片道50分程度の場所に住んでいるのですが、車を運転しないので、私が送迎しています。

迎えに行って、病院へ連れて行って診察して、また自宅へ送って行って自宅へ帰る。朝の6時45分ごろに家を出て、全てを終えて自宅へ戻るのは午後12時から時には14時ごろ。

退院直後は1~2週間に一度、現在は3か月に一度の通院があり、私は通院の日に合わせて希望休をとり、送迎しています。

 

そんな我が家には「遠隔診療」が明るい未来をもたらしてくれるかもしれません。

 

これらの通院の多くを遠隔診療で行うことができるなら、自宅で採血は出来ないかもしれませんが、ちょっとした体調の変化を伝えたり、服薬報告をしたり、例えば「湿疹」や「出血」などの状態を画像で診てもらって診察が必要かどうかを判断してもらって、必要なら予約を入れてもらう、なども簡単にできるのではないでしょうか。

ウェアラブル端末やテレビ電話などで、遠隔診療が出来るのであれば、「病気を治療しながら働き続ける」ことも、今よりずっと容易になることでしょう。

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遠隔診療がもたらす「恩恵」は医療関係者と患者では捉え方が違うかもしれません。

私はこの記事を読んで、この考え方が「治療」のみならず「予防」や「健康管理」にも活かされる時代がもうすぐそこまで来ている、と確信しました。

診療報酬などの難しい問題が絡まないことを考えると、予防や健康管理の方が早く現実化するかもしれません。健康管理を継続して受けていて問題がなければ、生命保険に「リスクの少ない群」として割引サービスも受けられるようになるかもしれません。

 

そして、私は自分の仕事のことを考えると、また違う「不安」に襲われてしまいました。

これからの生命保険はどうなる?

遠隔診療は素晴らしいと思う。けれど。加入している生命保険はどうなるでしょうか。

例えば、入院給付金

これは入院しないと受け取れません。

仕事をしながら遠隔治療を受ける場合には、ほぼほぼ支払い対象にはなり得ない、とすると、今までなら「入院治療」をしていた患者さんが「在宅治療」できることになると、給付金は受け取れないことになります。

現在でも、慢性骨髄性白血病の治療をする方の中には、「通院のみ」で治療をする方もいると聞きます。従来の生命保険、医療保険がん保険では支払い対象にならないことも、実は多いのです。

例えば、通院給付金

そもそも、医療保険の通院給付金は「入院ありき」なので、入院をせずに通院のみで治療ができる時代が来たら。いったいどうなるのでしょう。

「知ること」の大切さと怖さ

一気にすべての治療が「遠隔診療」になるとは思いませんが、過渡期にありがちな「恩恵から漏れてしまうケース」に我が家が該当してしまう気がして怖くなります。

がんなどになってしまうと、生命保険の見直しはとても難しくなるのが現実なのです。生命保険に頼らずに治療費を支払い続けることができるでしょうか。世の中には社棋院をして医療費を支払う人もいるという話も聞きます。考えれば考えるほど、恐ろしくなってしまいます。

「一生涯飲み続ける」と言われる抗がん剤は高額で経済的・心理的負担も大きいものです。

治療がスタートしたときには診断給付金を受け取ることができる場合もあるかもしれませんが、治療が長引いて治療効果があって症状が安定していれば入院しないまま、お薬代・検査代を支払い続けることも多いと聞きます。

生きていればいいじゃないか、働けるならいいじゃないか、という考え方もあるかもしれません。

進行性のがんであり、この薬を飲み続けることで進行を抑える、要するにこの薬を飲み続けなければ生きていけないと言われるのであれば、それは医療費という「命のローン」を希望もしていないのに背負うことになったといっても過言ではありません。

新しい薬の登場などで「死なない病気」になったことで、患者の経済的な負担が過大になり「死にたくなるような気持ち」になってしまうのであれば、それは何かしらの対策が必要なのではないでしょうか。

世の中にはいろいろな病気があります。がんではありませんが、高額な注射をすることで、「いつもと変わらない生活」が送れるということで、毎月3万円ほどの治療費の出費がある、という方の話を聞きましたが、「子供たちの学資保険を支払うのも大変なのに」という言葉に胸が痛くなりました。

 

これからの時代、きっと一気に大きく変化するのでしょう。

スマートフォンなどの端末の進化と、個人情報や診療報酬などの法律や経済的な問題の整備、そしてこれから高齢者が増えていく(治療が必要な人々の増加)という問題もあります。

その治療を引き受ける医療関係者(働く世代)の減少がある一方で、医療の進歩で「早い時期での病気の発見」=患者の増加も問題になっていくのでしょう。

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でも、不安に思ってばかりでは前へ進めません。新しい技術や新しい仕組みに希望を抱いて、生きていきたい。そう思って、毎日を大切に生きていこうと思います。

 

退院後の生活 2017.6.24~2017.7.29

2017.7.29 土曜日 曇り

退院後は日々の生活に追われ・・

夫は勤務先の産業医に「残業はしない」という約束で職場復帰しました、が。

社会人ならそんなことは不可能だと、想像つきますよね。予想通り、音はがっつり残業してます。幸いなことに夫は今のところ副作用を感じることもなく、普通の生活を送っています。本当にありがたいことだと思います。

私は夕方6時あるいは7時までの勤務なので、夫が残業がなければ迎えに行って自宅へ戻れますが、残業になれば一度帰って迎えに行く、ということになります。夫は朝はバス通勤ですが、夜は8時以降、バスの便が減ってしまいますので、最近ではすっかりお迎えが常態化しています。

 

慢性骨髄性白血病といえば、かつては不治の病と恐れられていましたが、今ではグリベックという分子標的薬の登場で「薬でコントロールできる病気」となって、生存率も高い病気になりました。

↓はグリベックを作っている会社のサイト。萬世骨髄性白血病CML)がわかりやすく説明されています。

第1章 CMLってどんな病気? よく分かる!CML CMLステーション ノバルティス ファーマ株式会社

夫は、グリベックと糖尿病と狭心症とあといろいろ・・・な薬を、毎朝どっさり飲んでいます。これらの薬のおかげで、現在普通に生活できているということは本当にありがたいことだと思います。(薬代がほんとに高いけど・・・ね)

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退院後、毎週のように通院しています。病院への支払いは夫に任せているのですが、夫はクレジットカードで支払いをしており、今月はもろもろ合わせて30万近く請求されるとぼやいています。

このところ、検査するたびに骨髄抑制の話をされます。数値も下降を続けています。そうなりませんようにと祈る気持ちではありますが、血液検査の結果を聞くのもドキドキです。

この病気の情報を入手するためにyoutube佐賀大学の木村先生の講座を何度も見ました。主治医から木村先生に相談していると聞いてびっくり。平成29年8月には木村先生の診察も受けることになりました。たくさんの動画で分かりやすく病気のことが説明されていて、本当に勉強になりました。

「血液のがん」のこと-佐賀大学医学部附属病院 血液・呼吸器・腫瘍内科

 

ありがたい高額療養費制度

私たちは国民皆保険制度によって健康保険料を納めており、高額な治療費を負担することになったとしても、一定額以上の負担については還付されるというありがたい仕組みに守られています。

■高額療養費制度を利用される皆さまへ (厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000158838.pdf

 

協会けんぽのwebサイトにも詳しく説明されています。

高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます。

高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。70歳未満の方で、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

 

高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

我が家もこの制度に助けられるわけです。

療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。

医療費が高額になりそうなとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 しかしながら、我が家の場合(一般的なサラリーマン:区分ウ)、通常は4錠投与となるグリベックを低用量で様子を見ているため、高額療養費制度の上限金額に満たない7万円台の支出となります。

この場合、多数該当にならないので、さらなる軽減措置を受けられない、ということになります。

また、この制度にはもうひとつ、世帯合算というものがあります。

自己負担額は世帯で合算できます(世帯合算)

世帯で複数の方が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、お一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

※ここで言う世帯とは、協会けんぽに加入している被保険者とその被扶養者です。

 

高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 

 我が家の場合、慢性骨髄性白血病に関連する薬は県病院で貰いますが、以前から治療していた糖尿病や狭心症の薬などは、かかりつけの近所の病院で貰います。

上記のように、”お一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。”ということなので、高額療養費制度以上のお金は必要ないのだと思っていましたが。

合算対象のポイント

70歳未満の方の場合は、受診者別に次の基準によりそれぞれ算出された自己負担額(1ヵ月)が21,000円以上のものを合算することができます。

自己負担額の基準

  • 医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来にわけて計算します。

高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 

要するに、我が家のように県病院とかかりつけの病院での支出がある場合には、別々に計算し、世帯合算することが可能だけれど、それぞれ(医療機関ごと、入院、外来ごと)21,000円未満であれば別で負担してくださいね、かかりつけ医の治療費は一か月に一度、1万円払っておつりが少し、という程度なので、合算は出来ない、というわけです。現在のように毎月8万円近くの出費がいつまで続くのかしら。。。。。やがては3か月に一度の処方になるといいな、と思いますが、それはいったいいつ頃・・・?

これからの医療費負担の妄想

ここからは妄想の展開です(笑)こんなことを考えることに意味があるのかどうかはわかりませんが、ここ、考えると私自身が安心するかも。

■1年目(想像の展開です、念のため)

およそ8万円×12か月=約96万。

これだけ支払えるなら貯金しとけよ、と言いたくなるのは私だけじゃないでしょう。

グリベック2錠を1年継続、あるいは途中で3錠になるかも?

夫はがんの診断給付金を100万円受取っているので、一年目はクリアですね。保険に加入していて本当に良かった。

 

2年目(想像の展開です、念のため)

およそ53,000円×12か月=63万6千円

我が家は息子が大学へ進学します。夫は症状が落ち着いて、たぶん、3錠の投与になっているかな?高額療養費制度の該当となり44,400円+約9,000円程度の医療費負担になるかな。

夫のがん保険では、生存を条件に50万円を受け取ることができます。(5年目まで)

 

3年目(想像の展開です、念のため)

およそ44,400円×4か月(3か月に一度)+約9000円×12か月=28万5600円

あれ?安く感じる。おかしいぞ。感覚がマヒしたかな。

症状が安定して3か月に一度の処方で良くなれば、ぐっと負担が減ります。1か月あたりの負担金額として考えてみると2万3800円。安くはないけれど、これくらいなら、多少の調整で支払える金額、と思える。

夫のがん保険では、生存を条件に50万円を受け取ることができます。(5年目まで)

 

4年目(想像の展開です、念のため)

本当は3年目の状態が未来永劫に続くことを願いたいのですが(限りある人生、未来永劫はあり得ませんね・・苦笑)ちょっとだけ、マイナスの展開も想定に入れておくことにします。

夫はもともと持病があるため、特別な配慮をいただいて治療を開始しました。若くて健康な方はグリベックを飲み続けるだけで(副作用に悩まされることはあると思いますが)普通の生活を送れるラッキーな方もいるという話を聞きます。我が家の夫にもそのような展開でありますように、と願っていますが、ドクターの話を聞いていると、厳しい展開もあり得ると覚悟が必要なのではないかとそんな気持ちもあります。

お薬を増量、あるいは第二世代以降のモノへ変更する治療方針の見直しが行われ、入院治療を含んで通院治療が増える。かも。。(そうならないでほしいと願っています)

およそ8万円×12か月=約96万。

夫のがん保険では、生存を条件に50万円を受け取ることができます。(5年目まで)また、入院すると1日3万円の入院給付金、退院後の通院は1年間で60日まで保障されます。

 

5年目(想像の展開です、念のため)

症状は安定し、通院のみでOKとなり。そして、その後ずっと、この状態が続く。という展開を期待したい。

およそ44,400円×4か月(3か月に一度)+約9000円×12か月=28万5600円

 

およそ30万円程度の支出で、ごく普通の生活が送れるのであれば、それはなんとありがたいことでしょう。ただ、年間100万程度となると、その負担は過大で息苦しくなります。これは今だけ、と納得できれば落ち着けます。

これから先については妄想もできません・・・(笑)

そして、5年すると息子が無事に大学を卒業して社会人になる時期ですから、息子の生活費に支出していた分を老後資金の貯蓄へ回す、ということも不可能ではない、ということがわかり、安心しました。もちろん、これは想像で妄想の展開ですから、もっと違うトラブルに見舞われる可能性だってあります。が。まだそのような展開になる気配すらないのですから、心配しても仕方がありません。

 

こうやって、しばらく先まで妄想をしてお金のことを考えておくのも「なるようになる」と思えずに不安になってしまうような、私に似たタイプの方には有効かもしれませんね。

入院、そして退院。2017.6.1~2017.6.23

2017.6.1入院

夫は2017年6月1日に慢性骨髄白血病で初めての入院となりました。

入院してすぐに歯科の手術を受けることになりました。かかりつけの歯科の先生が「一本でも残しておきたい」と大切にしてくださっていた歯を抜き、その奥にある嚢胞を切除したのです。理由は「治療が進むと敗血症になって命の危険もあるから」だそうです。なんと恐ろしい。

術後、夫の顔は腫れあがり、可哀そうでしたが、リスみたいで、ちょっと可愛かった。

妻としては、このところのショックの連続で、歯科の手術ぐらいなんでもないぐらいの気分ではありました。

夫は糖尿病があり、さらに、狭心症でステントを4本も入れているという身体なので、血液が止まりにくくなるタイプの薬を飲んでいます。その影響からか、術後は血が止まりにくく、ちょっと大変でした。

 

6月5日より、グリベック服用開始。

普通なら4錠程度を服用するのですが、夫は持病があるので1錠からスタート、と説明されました。

 

妻としては1錠で効くのかしら?と不安になりましたが、もう、ドクターに任せるしかありませんから。

グリベック1錠を飲むだけなのかと思ったら、やれ尿酸値を抑える薬だの何だのとどっさりとお薬が出て、それを見ると「大きな病気になったのだな」と感じました。

夫はエネコン180という食事で(たぶん、エネルギーコントロール1800cal)病院食以外の食べ物を禁止され、それが苦痛な様子。

いろはすとかもダメかなあ?」と売店に行ってラベルを確認してみると、しっかりと糖分が含まれていることがわかり、飲むのを断念。

投薬による血糖値の変化を見るために、食事の前後に耳から血を採って検査をしているようで、時々、検査のために看護師さんが耳をつまむと以前の傷から血が噴き出してくるという、不思議な現象もあり(笑)ました。

6月6日は私の誕生日でしたが、軽くスルーされ(笑)

 

6月16日よりグリベック2錠に。

 特に副作用もなく、グリベックは2錠になりました。

肝臓や腎臓、血糖値や尿酸値など、自覚症状のない副作用もあるのですが、夫は特に変化なし。

副作用として頻度が高いと言われる皮膚症状なども出ずに、読書三昧の日々。いやいやウラヤマシイ。

 

私は出勤前に病院へ寄り、帰りも顔を見て帰るという毎日。正直なところ、体も心もクタクタ。

休日も、病院と自宅の往復です。食事制限があるのがちょっとかわいそうでした。

わたしはこっそり、コッテリなものも食べましたが、強制的に断酒になった夫に付き合って、私もお酒はがまん!しました。

 

夫はいつの間にか若い看護師さんとも仲良くなっていて、長い付き合いになるのかなぁ、と複雑な心境で眺めておりました。

 

通常、グリベックは4錠を処方されることが多いと聞きます。夫の場合は、既往症があるために、低用量から投薬スタートとなりました。

4錠を飲むようになれば、副作用も起きるのではないかと密かに心配しています。

 

グリベックを飲むようになって、夫はおならがよく出るようです。グリベックのせいなのか、他に処方されている薬のせいなのか、夫はあまり興味がないらしく、気にしていないとのこと。

 

隣に入院して来た若い男性が、同じく白血病で、体力をつけるようにと言われて家族が次から次へと美味しそうな差し入れを持って来ているのを横目で眺めながら、たいそう羨ましがっていました。

 

白血病といってもいろんな種類があり、基礎疾患のない若い方は、なんでも食べてよし!となるのでしょうが、糖尿病患者はそうはいきません。

今までたくさん美味しいものを食べたのですから、我慢も仕方ありませんよね。

 

うちの夫は、妻に何かをしてあげること、が好きな人です。

入院中は何もできないので、さぞかしツライ気持ちでいるのだろうと思い、毎日帰るときに売店に寄って、おやつのヨーグルトを買ってもらいました。毎日買って貰えば、毎日「ありがとう!」と言えます。

私は夫に何かをしてもらってありがとう!というのが好きです。県病院の売店は遅い時間まで開いているんです。遅い時間まで働いていただいているんですね。ありがたいことです。

 

うちの夫は少々、そっけないところがありまして、車で送ってくれた時など、バイバイしてもこっちを見ないタイプの人ですが、入院中は駐車場の出口で待っていてくれて、出庫する私に手を振って見送ってくれていました。普段しないその行動を見ると、胸がキュンとしました。いつもと違う精神状態なのだな、と。

 

毎日病院へお見舞いへ通うと、同じように洗濯物の袋を持って、同じような時間帯にすれ違うご家族に遭遇します。その背景にある不安や苦労を思うと、胸が痛くなります。病気と闘う患者さんはもちろん大変ですが、家族もまた、不安と闘っています。だからと言って話しかけたりするわけではありません。ただその場所に一緒に居るだけ、です。

給付金請求手続きのお手伝いをする仕事の中で、その苦悩を見聞きすることも多かったのですが、病院で、その家族の一人として病気に向き合う立場になってみると、感じ方もまた違ってきます。

そして私は同時進行で、病気による苦労の一部を解決できる「生命保険」を取り扱う仕事をしています。私には「出来ること」があり、使命感を強く刺激されました。

 

退院したのは6月23日。

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良く晴れた気持ちのいい日でした。

中庭が雑草がハビコリ放題だったので、二人で文句を言っていたのですが、入院中に草刈りされてサッパリときれいになっており、開放感で胸いっぱいで退院しました。

 入院中、梅雨の時期でしたが雨に降られて大変だったということもほぼなく。

これから長く続くであろう、通院生活。不安も大きいけれど、家族ひとつ屋根の下(マンションだからこの表現ってちょっと微妙だけど)仲良く暮らせる幸せをかみしめつつ病気と向き合っていこう、そんな気持ちで家路へと就いたのでした。

 

 

がん保険の給付金請求手続きを行う。2017/5/19金曜日

給付金請求手続き

 

私は現在、生命保険の乗合代理店のカウンターで仕事をしています。

夫が「慢性骨髄性白血病」の告知をされた日の翌日、私は保険会社のシステムで給付金の請求手続きをしました。

 

見慣れたシステムに、夫の名前や病名、入院予定日や医療機関などの項目を入力。

いつもの仕事なのですが、この作業が、けっこうツライ。かといって、同僚に頼む気にもなりません。

送信ボタンをクリックし、印刷された文書をいつものように提出書類と手元に残す書類を分けてファイルに入れます。いつもの作業ですが、気持ちが全く違います。

外回りの営業ならば、なんとなく出かけて継続訪問フォロー程度の仕事で一日をやりすごすところだけれど(夫の転勤で職場を変わったが、以前に勤めていた代理店では外回り営業をしていた)ショップ勤務の場合には、この場所から逃避行することは許されません。

 

夫のがん保険は平成22年に契約したもので、そのころに販売されていたがん保険は3つのコースからプランを選べるようになっていたのですが、私が夫のために選んだのは、一番多くの給付金を受け取れる、いわゆる保険料の高いプランでした。

 

もともと、夫はあまり保険が好きではなく、何度がん保険を勧めても首を縦に振らず、やっと説き伏せてサインをして貰ったのを覚えています。

その後、新しい保障をプラスするプラン(抗がん剤の特約を含むプラン)が出た時にも何度も申し込みをするように勧めたのですが「保険に入りすぎている」と言われ、契約はしてくれませんでした。私自身のプランは、許可を得る必要はないため、さっさと契約しましたけどね。

ごく最近にも、抗がん剤のみの保障が主契約となるプランへの申し込みも検討しましたが、夫はやはりうんと言いません。胃がんや大腸がんなどであれば診断給付金が5年間で300万円出るプランであれば事足りるであろうという気持ちもあり、そのままのがん保険を継続することになりました。

 

何かしらでお金の相談をすると、「じゃ、保険を整理すれば?」と言われ続けてきました。やめなくてよかった!本当にそう思います。

 

夫の場合、診断給付金は100万円。

入院給付金はがん保険から日額1万円が日数無制限で支払われる。診断確定日から1年後から5年後までの4回は生存していれば50万円を受け取れます。合計300万円。

 

あの頃のセールストークを思い出してみると・・・

 

がんと診断されて、まず100万円

最近では、入院が短くなり通院での治療が増えてきています。もしかすると高額な抗がん剤治療などを行うかもしれません。

そんな時にも、この保険でしたら生存を条件に2年目、3年目、4年目、5年目にそれぞれ50万円、合計300万円を受け取ることができます。治療費の負担が大きくなっても、この生存給付金をお役立ていただけます。入院しなくても、どんな治療を選択しても、まとまった一時金を5年間受け取れれば、安心ですよね。』

 

こんな感じだったでしょうか・・・。

実際には合計300万円のプランにお申込みいただいた方は本当に少数で、ほとんどの方が生存給付金が10万円のタイプ(合計140万円受取るプラン)でお手続きいただいたと記憶しています。

我が家はなぜ300万にしたのかというと・・・実際にそのくらい治療費がかかることは想定しておくべきだ、と思ったからです。そして、保険料を支払うのは私、でした。

もしも夫ががんになったら、困るのは私ですから、がん保険に入ってくれるならプランは私が選んだモノでいいよね、お金は私の給与天引きなんだから!そうやって印鑑をもらいました。

 

しかしながら、逆を言えばこの300万があったから、抗がん剤の保障を追加することについて二の足を踏んだともいえるかもしれません。

 

このプランだったから、「足りない」と思えなかった、とも言えるのです。皮肉なものですね。

 

慢性骨髄性白血病は、がんの中でも特殊で「一生涯、抗がん剤を飲み続けること」を治療の最初に言い渡されます。

夫はこの分子標的薬がどのくらいの薬価なのか、を知りませんでしたから、「ああそうですか」という感じでしたが、私は、年間50万~80万程度の借金を夫が治療を続ける限り背負うことになるのだ、とそう思いました。私の頭の中では、300万円じゃ全然足りないぞ、と後悔の鐘が鳴り響いてしまったのです。

そして、この病気の場合、入院をしない可能性もあるので、日数無制限の入院給付金が決して「安心」だと言えないことを実感しました。

 

夫が罹患した慢性骨髄性白血病は、完治を目指すのではなく、投薬管理によって進行を遅らせてコントロールする、という治療が行われる病気です。

夫の場合、持病との兼ね合いで選択されたお薬は、グリベック

確率でいえば10万人に一人程度が年間の罹患率という話です。まさか、と思いますよね、まさか、と思いますよ。まさか、ね。

 

セールストークでもよく使っていたんです。

 

白血病などの血液のがんの場合、分子標的薬を使うことで治療をしながら働く方も多くなっているんですよ。

働きながら治療を行う、というのはどういうことかというと、それは入院給付金は受け取れませんよ、ということです。ご用意されている保険、そんな時でも大丈夫ですか?

 

働きながら治療を行う、ということは、白血病に限ったことではありません。

乳がんなどの場合でも、通院しながら働いている人、たくさんいます。

これからの時代、通院治療でのリスク、特に、抗がん剤などの高額なお薬代の負担へのリスクにはしっかりと備えることが、ご自身の生活、家族の幸せを守るためには、とても大切なことなんです。

一般的に、がんの治療費は300万円から500万円ほど備えておくと安心だと言われていますが(データブック参照)最初に申し上げた白血病などでは一生涯の抗がん剤での治療が必要になる可能性もゼロではありませんから、抗がん剤の保障は特に、一生涯の保障をご準備なさると安心です。

 

そう言っていた私の夫には、抗がん剤の保障を準備していなかったって、なんてことでしょう。自己嫌悪と後悔が次から次へと襲ってきて、正直なところ、かなりへこたれております。

 

私たちが暮らすM市はいわゆる中核市で、40万人にちょっと足りないくらいの人口(2016年)なので、M市における慢性骨髄性白血病の年間罹患者は3~4人程度、でしょうか。

 

持病がある場合の投薬治療はどうなるのだろう。

分子標的薬は副作用が比較的少ないと言われています。だが、抗がん剤あることに違いはありません。。高血圧や糖尿病の薬のように、飲むだけで副作用を実感しない、というような薬とはちょっと違います。

 

私は、夫が薬の副作用で気分が悪くなったり、嘔吐したり、皮膚がカサカサになったり(ただでさえ乾燥肌なのに)味覚症状が出たり、というようなことになったらかわいそうだと思います。

彼は、街歩きとランチ、というデートが好き。いろいろなお店を調べて美味しいものを食べるのが好きな人です。だから身体もそれなりの・・・(( ´艸`)おでぶちゃん。

ダイビングも好きで、最近は海の中で写真を撮れるようにと、新しいデジタルカメラとハウジングを購入しました。日曜日には初めての海中撮影に挑戦する予定、です。

 

投薬治療が始まったら、どんな生活が待っているのでしょう。

私は体験記などをネットで読み漁り、情報を収集しようとした。なかなか夫に似た持病のある方の闘病記を見つけられず、そのことを話すと夫は笑ってこう言いました。

「いろいろ調べたら病気が良くなるの?」

夫は私の心配性をいつも笑います。起きていないうちから心配する必要はない、と言うのです。

私は起きる前に「対処法を知っておきたい」とか「起きた時に役立つ情報を知っておきたい」「できれば未然に防ぎたい」「備えておきたい」と思います。

だから保険の仕事が好きなのでしょうか、それとも「もしも万が一」を語り続けているから、こういう考え方になったのでしょうか。

 

とりあえず、成り行きに任せよう。

 不安というものに取りつかれると、前に進むのが難しくなります。

成り行きに任せ、私は仕事へでかけ、夫は入院準備をして、治療へと突入です。精神的な追い詰められ感が半端ないと思いつつ。

 

私はAFP(ファイナンシャルプランナー)ですが、ライフプランが音を立てて崩れていってしまったことにショックを受けています。

立て直しが必須ですが、考える時間もなく日常に追われています。こういう時、確かに誰かの助けを必要としますね。私はこんな時、助けてあげられる人になりたい。

 

だから、今回、この出来事は「がん罹患者の妻」の立場と「AFP」の立場と、生命保険募集人の立場と、3つの目でみつめて考えたい。そう思ってブログを発信します。読んでくださって、ありがとう。

 

追記 

実は、2社へ給付金請求をしたのですが、病院へ診断書を依頼したところ、保険会社所定の書式ではなく病院の書式で受け取りました。これは問題ないので保険会社へ提出したのですが・・・

 

給付金請求は、現在では多くの保険会社が診断書はコピーでも可、としているのですが、とある保険会社はコピーを提出したところ、「原本でなければだめ」と言ってきて、再度取り直しをしました。

一社は請求してすぐに入金がありましたが、診断書の取り直しと言われた保険会社の空付近請求手続きは、やっと「新しい診断書が出来上がりました」と病院から連絡がきたところ、です。

次は原本をこっちの会社へ提出することにします。あっちの会社はコピーでも大丈夫なので。そんなこともありました、という備忘録代わりの追記でした。

 

 

 

もしも「がんと診断されたら」まずは、保険証券をチェック。

今はカウンター内で「来店してきたお客さま」に「新しい保険」をご案内するのが仕事ですが、以前は電話で問い合わせをしてきたお客さまへ、こちらから訪問して様々な生命保険に関する問題を解決する仕事をしていました。

 

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これから夫は慢性骨髄性白血病という病気と闘います。私は長く続くであろう高額な医療費負担と闘います。

これから大学へ進学する子供がいるので、実際のところ病気になるタイミングとしては、最悪・・・なんですよね。こうなってしまったので、あとは頑張るしかありません。

前向き前向き、と呪文を唱えながら、誰かのお役に立てれば、と書き綴ることにします。

チェック①受取人は誰?

実は、「給付金請求手続き」にはいろいろなトラブルが発生することがあります。

私は給付金手続きにおけるトラブルをいろいろと経験しました。まず確認していただきたいのは「給付金受取人」が誰になっているか、ということです。

 

基本的に、給付金は被保険者が受け取ることになっています。

我が家の保険、2証券ともに被保険者である夫が受取人です。

私が契約者で私がお金を払っているんですけどね、受取人は給付金受取人です。入院給付金とはそういうものです。

 

注意! 一部のがん保険など古い契約の中には、被保険者ではない人が給付金受取人に指定されている場合があります。(多くの場合は給付金受取人=被保険者となっていますので、念のため)

 

親御さんが掛けている保険をそのまま継続していた場合、給付金や死亡保険金の受取人が親御さんである可能性もあります。時には親御さんが亡くなっていたりすることもありました。詳しい手続き方法については保険会社へ確認ください。

時には、結婚したのに名義変更をしていないまま、親御さんが掛け続けているがん保険がお役にたった、ということもありました。

給付金受取人と死亡保険金受取人を離婚を機会に妻からお子様に設定変更していましたが、そのお子さんが海外へ行ったまま連絡が取れない、という方もいました。

 

我が家の契約は全て、被保険者が受取人でした。

今のところ、入院が長期化する予定はない(と思いたい)ので、給付金と医療費の支払いなどのお金の管理は夫に任せることにしました。

 

チェック②保障内容はどうなっていますか?

我が家の場合・・・

診断給付金が100万円と入院給付金が日額3万円。退院後の通院は1万円。

私は自分が取り扱ったプランなので、大体の内容は分かりますが、現在では販売停止になっているプランです。記憶とはあいまいなものですよね。細かい保障内容については、やはり約款を取り出さないと分かりません。

 

保険証券を取り出したら、コールセンターなどで保障の内容を確認してみてください。特にチェックするポイントは、以下の4つです。

 

①診断給付金

「がん」と診断されたら、一時金を受け取ることができます。この「がん」の定義がどうなっているのか、を確認しましょう。病名がわかっている場合、その病名で支払い対象かどうかも確認しましょう。

 

この診断給付金は、保障内容によっては一度限りということもありますし、支払事由に該当すれば複数回受け取れるプランもあります。

 

②入院給付金

入院給付金はがん保険であれば日数無制限で保障されているものが殆どです。がん保険だけではなく、医療保険でも新しい保険では日数無制限になっているものもあります。

ごくごく古いがん保険の一部に更新型のがん保険があり、継続が不可能なものもありますが、「一生涯の保障で日数無制限の保障」であるかどうか、ということを確認しておくと安心です。

 

③通院給付金

通院給付金については、特に注意が必要です。

入院をしなくても、がんの治療のための通院であれば日数無制限で保障してくれる特約もありますし、一定日数の入院を前提として支払われるタイプの通院給付金もあります。

例えば、古いがん保険の一部には「20日以上継続入院」が条件となって通院給付金が支払われるという条件のものがあります。

早く家に帰りたい、と19日で退院してしまうと、通院保障を請求することが出来ません。支払事由が20に以上の継続入院であるということを知っていれば、急いで19日で退院することがそのあとの保障に大きな影響を与えることがわかります。

保障の内容は、病気をしてから変えることは出来ませんが、支払事由を理解していることで「知らずに損をする」ということを避けることができます。ぜひ、ご確認ください。

 

我が家の場合、通院特約は2種類付加されています。

・通院給付金:継続5日以上の入院の退院日の翌日以後365日以内の通院(退院後の通院について60日)

・特定治療通院給付金:がんの治療として放射線治療抗がん剤治療、ホルモン療法を受けることを目的とする通院をしたとき(保険期間を通じて通算120万円まで)

ただし、抗がん剤内服の場合は対象外。(実際のところ、これはがっかりでした。夫の場合、内服の分子標的薬での治療がメインになると言われています。薬が効かないとか、副作用が強く出るとか、病気が進行してしまうなどのトラブルがなければ、一生涯高額のお薬を飲み続けることになる、という病気です。

新しいタイプの保険(抗がん剤治療の場合に回数無制限で保障してくれるプラン)に加入しておかなかったことを、正直なところ後悔しています。

まさか、夫が慢性骨髄性白血病になるなんて、思ってもいませんでしたから、「保険に入りすぎ」といって相手にしてくれない夫ではなく、私が申し込みました。

 

www.zurichlife.co.jp

 

新しい保険では、通院保障も日数無制限となっている場合もあります。

同じ保険会社のがん保険でも、加入したプランによって支払事由が異なる場合があります。

ご自身の契約している保険の保障内容については、各保険会社のコールセンターで契約者からお申し出頂き、ご確認ください。(給付金請求時には、ご家族でも確認できる場合があります)

販売中止になっているプランについては、公式サイトでも確認できない場合がありますし、契約内容がパッケージプランではない場合もあるでしょう。証券ごとに確認をお勧めします。

我が家の場合、夫は、お金の管理をしたいタイプでAFPも持っているので、信頼して任せられますが、もしもそれが負担になるようであれば、やはりAFPの私が引き継ごうと思っています。

 

④保険料払い込み免除

お金の管理については、健康で何事もないときにはそれなりの不安で済みますが、病気になると、医療費の支出とともに収入が減る可能性についても不安を覚えます。

最近のがん保険医療保険は、がんなどの病気になったときに保険料の支払いが免除される特約が付加されていることもあります。保障内容をよく覚えていないのでしたら、こちらもご確認ください。

 

不安は不安を呼びますが、ここはぐっと我慢です。前を向いて歩いていきましょう。

 

私は今、仕事で給付金請求手続きの案内をしていた時の「お客さまの立場」を味わっています。それも、特に治療費が重く負担となる可能性が大きいと言われる病気(慢性骨髄性白血病)なので、いくら保険に加入していると言っても、正直なところ不安です。しかも持病もありますし。

だからその不安を解消するために「誰かの役に立つこと」をしたいと思い、ブログに書き綴っています。

実際のところ、お友達にこの話をしたいとは思いません。そのうちに相談することになると思いますが。

とりあえず匿名のブログで。思いを綴るだけでも、私自身は少し不安を解消できます。読んでくれてありがとう。