まさかの「慢性骨髄性白血病」夫を支える妻blog

がん罹患者の家族のblogです。

入院、そして退院。2017.6.1~2017.6.23

2017.6.1入院

夫は2017年6月1日に慢性骨髄白血病で初めての入院となりました。

入院してすぐに歯科の手術を受けることになりました。かかりつけの歯科の先生が「一本でも残しておきたい」と大切にしてくださっていた歯を抜き、その奥にある嚢胞を切除したのです。理由は「治療が進むと敗血症になって命の危険もあるから」だそうです。なんと恐ろしい。

術後、夫の顔は腫れあがり、可哀そうでしたが、リスみたいで、ちょっと可愛かった。

妻としては、このところのショックの連続で、歯科の手術ぐらいなんでもないぐらいの気分ではありました。

夫は糖尿病があり、さらに、狭心症でステントを4本も入れているという身体なので、血液が止まりにくくなるタイプの薬を飲んでいます。その影響からか、術後は血が止まりにくく、ちょっと大変でした。

 

6月5日より、グリベック服用開始。

普通なら4錠程度を服用するのですが、夫は持病があるので1錠からスタート、と説明されました。

 

妻としては1錠で効くのかしら?と不安になりましたが、もう、ドクターに任せるしかありませんから。

グリベック1錠を飲むだけなのかと思ったら、やれ尿酸値を抑える薬だの何だのとどっさりとお薬が出て、それを見ると「大きな病気になったのだな」と感じました。

夫はエネコン180という食事で(たぶん、エネルギーコントロール1800cal)病院食以外の食べ物を禁止され、それが苦痛な様子。

いろはすとかもダメかなあ?」と売店に行ってラベルを確認してみると、しっかりと糖分が含まれていることがわかり、飲むのを断念。

投薬による血糖値の変化を見るために、食事の前後に耳から血を採って検査をしているようで、時々、検査のために看護師さんが耳をつまむと以前の傷から血が噴き出してくるという、不思議な現象もあり(笑)ました。

6月6日は私の誕生日でしたが、軽くスルーされ(笑)

 

6月16日よりグリベック2錠に。

 特に副作用もなく、グリベックは2錠になりました。

肝臓や腎臓、血糖値や尿酸値など、自覚症状のない副作用もあるのですが、夫は特に変化なし。

副作用として頻度が高いと言われる皮膚症状なども出ずに、読書三昧の日々。いやいやウラヤマシイ。

 

私は出勤前に病院へ寄り、帰りも顔を見て帰るという毎日。正直なところ、体も心もクタクタ。

休日も、病院と自宅の往復です。食事制限があるのがちょっとかわいそうでした。

わたしはこっそり、コッテリなものも食べましたが、強制的に断酒になった夫に付き合って、私もお酒はがまん!しました。

 

夫はいつの間にか若い看護師さんとも仲良くなっていて、長い付き合いになるのかなぁ、と複雑な心境で眺めておりました。

 

通常、グリベックは4錠を処方されることが多いと聞きます。夫の場合は、既往症があるために、低用量から投薬スタートとなりました。

4錠を飲むようになれば、副作用も起きるのではないかと密かに心配しています。

 

グリベックを飲むようになって、夫はおならがよく出るようです。グリベックのせいなのか、他に処方されている薬のせいなのか、夫はあまり興味がないらしく、気にしていないとのこと。

 

隣に入院して来た若い男性が、同じく白血病で、体力をつけるようにと言われて家族が次から次へと美味しそうな差し入れを持って来ているのを横目で眺めながら、たいそう羨ましがっていました。

 

白血病といってもいろんな種類があり、基礎疾患のない若い方は、なんでも食べてよし!となるのでしょうが、糖尿病患者はそうはいきません。

今までたくさん美味しいものを食べたのですから、我慢も仕方ありませんよね。

 

うちの夫は、妻に何かをしてあげること、が好きな人です。

入院中は何もできないので、さぞかしツライ気持ちでいるのだろうと思い、毎日帰るときに売店に寄って、おやつのヨーグルトを買ってもらいました。毎日買って貰えば、毎日「ありがとう!」と言えます。

私は夫に何かをしてもらってありがとう!というのが好きです。県病院の売店は遅い時間まで開いているんです。遅い時間まで働いていただいているんですね。ありがたいことです。

 

うちの夫は少々、そっけないところがありまして、車で送ってくれた時など、バイバイしてもこっちを見ないタイプの人ですが、入院中は駐車場の出口で待っていてくれて、出庫する私に手を振って見送ってくれていました。普段しないその行動を見ると、胸がキュンとしました。いつもと違う精神状態なのだな、と。

 

毎日病院へお見舞いへ通うと、同じように洗濯物の袋を持って、同じような時間帯にすれ違うご家族に遭遇します。その背景にある不安や苦労を思うと、胸が痛くなります。病気と闘う患者さんはもちろん大変ですが、家族もまた、不安と闘っています。だからと言って話しかけたりするわけではありません。ただその場所に一緒に居るだけ、です。

給付金請求手続きのお手伝いをする仕事の中で、その苦悩を見聞きすることも多かったのですが、病院で、その家族の一人として病気に向き合う立場になってみると、感じ方もまた違ってきます。

そして私は同時進行で、病気による苦労の一部を解決できる「生命保険」を取り扱う仕事をしています。私には「出来ること」があり、使命感を強く刺激されました。

 

退院したのは6月23日。

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良く晴れた気持ちのいい日でした。

中庭が雑草がハビコリ放題だったので、二人で文句を言っていたのですが、入院中に草刈りされてサッパリときれいになっており、開放感で胸いっぱいで退院しました。

 入院中、梅雨の時期でしたが雨に降られて大変だったということもほぼなく。

これから長く続くであろう、通院生活。不安も大きいけれど、家族ひとつ屋根の下(マンションだからこの表現ってちょっと微妙だけど)仲良く暮らせる幸せをかみしめつつ病気と向き合っていこう、そんな気持ちで家路へと就いたのでした。