まさかの「慢性骨髄性白血病」夫を支える妻blog

がん罹患者の家族のblogです。

がん保険の給付金請求手続きを行う。2017/5/19金曜日

給付金請求手続き

 

私は現在、生命保険の乗合代理店のカウンターで仕事をしています。

夫が「慢性骨髄性白血病」の告知をされた日の翌日、私は保険会社のシステムで給付金の請求手続きをしました。

 

見慣れたシステムに、夫の名前や病名、入院予定日や医療機関などの項目を入力。

いつもの仕事なのですが、この作業が、けっこうツライ。かといって、同僚に頼む気にもなりません。

送信ボタンをクリックし、印刷された文書をいつものように提出書類と手元に残す書類を分けてファイルに入れます。いつもの作業ですが、気持ちが全く違います。

外回りの営業ならば、なんとなく出かけて継続訪問フォロー程度の仕事で一日をやりすごすところだけれど(夫の転勤で職場を変わったが、以前に勤めていた代理店では外回り営業をしていた)ショップ勤務の場合には、この場所から逃避行することは許されません。

 

夫のがん保険は平成22年に契約したもので、そのころに販売されていたがん保険は3つのコースからプランを選べるようになっていたのですが、私が夫のために選んだのは、一番多くの給付金を受け取れる、いわゆる保険料の高いプランでした。

 

もともと、夫はあまり保険が好きではなく、何度がん保険を勧めても首を縦に振らず、やっと説き伏せてサインをして貰ったのを覚えています。

その後、新しい保障をプラスするプラン(抗がん剤の特約を含むプラン)が出た時にも何度も申し込みをするように勧めたのですが「保険に入りすぎている」と言われ、契約はしてくれませんでした。私自身のプランは、許可を得る必要はないため、さっさと契約しましたけどね。

ごく最近にも、抗がん剤のみの保障が主契約となるプランへの申し込みも検討しましたが、夫はやはりうんと言いません。胃がんや大腸がんなどであれば診断給付金が5年間で300万円出るプランであれば事足りるであろうという気持ちもあり、そのままのがん保険を継続することになりました。

 

何かしらでお金の相談をすると、「じゃ、保険を整理すれば?」と言われ続けてきました。やめなくてよかった!本当にそう思います。

 

夫の場合、診断給付金は100万円。

入院給付金はがん保険から日額1万円が日数無制限で支払われる。診断確定日から1年後から5年後までの4回は生存していれば50万円を受け取れます。合計300万円。

 

あの頃のセールストークを思い出してみると・・・

 

がんと診断されて、まず100万円

最近では、入院が短くなり通院での治療が増えてきています。もしかすると高額な抗がん剤治療などを行うかもしれません。

そんな時にも、この保険でしたら生存を条件に2年目、3年目、4年目、5年目にそれぞれ50万円、合計300万円を受け取ることができます。治療費の負担が大きくなっても、この生存給付金をお役立ていただけます。入院しなくても、どんな治療を選択しても、まとまった一時金を5年間受け取れれば、安心ですよね。』

 

こんな感じだったでしょうか・・・。

実際には合計300万円のプランにお申込みいただいた方は本当に少数で、ほとんどの方が生存給付金が10万円のタイプ(合計140万円受取るプラン)でお手続きいただいたと記憶しています。

我が家はなぜ300万にしたのかというと・・・実際にそのくらい治療費がかかることは想定しておくべきだ、と思ったからです。そして、保険料を支払うのは私、でした。

もしも夫ががんになったら、困るのは私ですから、がん保険に入ってくれるならプランは私が選んだモノでいいよね、お金は私の給与天引きなんだから!そうやって印鑑をもらいました。

 

しかしながら、逆を言えばこの300万があったから、抗がん剤の保障を追加することについて二の足を踏んだともいえるかもしれません。

 

このプランだったから、「足りない」と思えなかった、とも言えるのです。皮肉なものですね。

 

慢性骨髄性白血病は、がんの中でも特殊で「一生涯、抗がん剤を飲み続けること」を治療の最初に言い渡されます。

夫はこの分子標的薬がどのくらいの薬価なのか、を知りませんでしたから、「ああそうですか」という感じでしたが、私は、年間50万~80万程度の借金を夫が治療を続ける限り背負うことになるのだ、とそう思いました。私の頭の中では、300万円じゃ全然足りないぞ、と後悔の鐘が鳴り響いてしまったのです。

そして、この病気の場合、入院をしない可能性もあるので、日数無制限の入院給付金が決して「安心」だと言えないことを実感しました。

 

夫が罹患した慢性骨髄性白血病は、完治を目指すのではなく、投薬管理によって進行を遅らせてコントロールする、という治療が行われる病気です。

夫の場合、持病との兼ね合いで選択されたお薬は、グリベック

確率でいえば10万人に一人程度が年間の罹患率という話です。まさか、と思いますよね、まさか、と思いますよ。まさか、ね。

 

セールストークでもよく使っていたんです。

 

白血病などの血液のがんの場合、分子標的薬を使うことで治療をしながら働く方も多くなっているんですよ。

働きながら治療を行う、というのはどういうことかというと、それは入院給付金は受け取れませんよ、ということです。ご用意されている保険、そんな時でも大丈夫ですか?

 

働きながら治療を行う、ということは、白血病に限ったことではありません。

乳がんなどの場合でも、通院しながら働いている人、たくさんいます。

これからの時代、通院治療でのリスク、特に、抗がん剤などの高額なお薬代の負担へのリスクにはしっかりと備えることが、ご自身の生活、家族の幸せを守るためには、とても大切なことなんです。

一般的に、がんの治療費は300万円から500万円ほど備えておくと安心だと言われていますが(データブック参照)最初に申し上げた白血病などでは一生涯の抗がん剤での治療が必要になる可能性もゼロではありませんから、抗がん剤の保障は特に、一生涯の保障をご準備なさると安心です。

 

そう言っていた私の夫には、抗がん剤の保障を準備していなかったって、なんてことでしょう。自己嫌悪と後悔が次から次へと襲ってきて、正直なところ、かなりへこたれております。

 

私たちが暮らすM市はいわゆる中核市で、40万人にちょっと足りないくらいの人口(2016年)なので、M市における慢性骨髄性白血病の年間罹患者は3~4人程度、でしょうか。

 

持病がある場合の投薬治療はどうなるのだろう。

分子標的薬は副作用が比較的少ないと言われています。だが、抗がん剤あることに違いはありません。。高血圧や糖尿病の薬のように、飲むだけで副作用を実感しない、というような薬とはちょっと違います。

 

私は、夫が薬の副作用で気分が悪くなったり、嘔吐したり、皮膚がカサカサになったり(ただでさえ乾燥肌なのに)味覚症状が出たり、というようなことになったらかわいそうだと思います。

彼は、街歩きとランチ、というデートが好き。いろいろなお店を調べて美味しいものを食べるのが好きな人です。だから身体もそれなりの・・・(( ´艸`)おでぶちゃん。

ダイビングも好きで、最近は海の中で写真を撮れるようにと、新しいデジタルカメラとハウジングを購入しました。日曜日には初めての海中撮影に挑戦する予定、です。

 

投薬治療が始まったら、どんな生活が待っているのでしょう。

私は体験記などをネットで読み漁り、情報を収集しようとした。なかなか夫に似た持病のある方の闘病記を見つけられず、そのことを話すと夫は笑ってこう言いました。

「いろいろ調べたら病気が良くなるの?」

夫は私の心配性をいつも笑います。起きていないうちから心配する必要はない、と言うのです。

私は起きる前に「対処法を知っておきたい」とか「起きた時に役立つ情報を知っておきたい」「できれば未然に防ぎたい」「備えておきたい」と思います。

だから保険の仕事が好きなのでしょうか、それとも「もしも万が一」を語り続けているから、こういう考え方になったのでしょうか。

 

とりあえず、成り行きに任せよう。

 不安というものに取りつかれると、前に進むのが難しくなります。

成り行きに任せ、私は仕事へでかけ、夫は入院準備をして、治療へと突入です。精神的な追い詰められ感が半端ないと思いつつ。

 

私はAFP(ファイナンシャルプランナー)ですが、ライフプランが音を立てて崩れていってしまったことにショックを受けています。

立て直しが必須ですが、考える時間もなく日常に追われています。こういう時、確かに誰かの助けを必要としますね。私はこんな時、助けてあげられる人になりたい。

 

だから、今回、この出来事は「がん罹患者の妻」の立場と「AFP」の立場と、生命保険募集人の立場と、3つの目でみつめて考えたい。そう思ってブログを発信します。読んでくださって、ありがとう。

 

追記 

実は、2社へ給付金請求をしたのですが、病院へ診断書を依頼したところ、保険会社所定の書式ではなく病院の書式で受け取りました。これは問題ないので保険会社へ提出したのですが・・・

 

給付金請求は、現在では多くの保険会社が診断書はコピーでも可、としているのですが、とある保険会社はコピーを提出したところ、「原本でなければだめ」と言ってきて、再度取り直しをしました。

一社は請求してすぐに入金がありましたが、診断書の取り直しと言われた保険会社の空付近請求手続きは、やっと「新しい診断書が出来上がりました」と病院から連絡がきたところ、です。

次は原本をこっちの会社へ提出することにします。あっちの会社はコピーでも大丈夫なので。そんなこともありました、という備忘録代わりの追記でした。