まさかの「慢性骨髄性白血病」

慢性骨髄性白血病の夫を見守る妻のブログ

告知まで、の記録。

生活習慣病のデパートみたいな、かわいい夫

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夫は糖尿病なので、毎月のように内科で検査をしてお薬をもらっている。

しかも、過去には狭心症でステントも4本入れていて、若干の脂質異常もあるため、年間で9万円ほどの出費になり、慢性疾患はお金がかかると実感している。

夫は、くまのプーさんのような体系で、おなかがポッコリ?出ている。割と筋肉質なので、太っているけど、胸の筋肉もぴくぴく出来る。お願いすると、ぴくぴくしてくれる。私はそれを見るのが好きだ。お察しだと思うが、私たちはいい年をしてバカップルである。手をつないで歩くのも好きだ。

私の願いは、あらゆることについて「現状維持」だった。これ以上、どこも悪くなりませんように。それはそんなに高望みではない、はずだった。

 

病気が見つかったきっかけ 

通っている病院のドクターは、「僕はジェネリック医薬品は使いません」と言うらしい。

夫は組合管掌健康保険なので、いつもジェネリック医薬品に変更した場合の医療費負担に関する文書が送られてくる。何度かジェネリックへの変更をお願いしたが、却下されたらしい。

ドクターは何か嫌な体験をしたのかも知れない。夫は「病院を変えようかな」などと文句を言いながらもその病院へ通い、長らく同じ薬を飲み続けていた。

 

2017年3月の初めの夜のことだった。

私が台所で洗い物をしていると、夫が「そういえば病院で何か検査の結果が悪かったらしくて再検査するって言われた。」と言う。

私は大型ショッピングセンターの中にある保険ショップに勤務している。

そのころはちょうど標準利率が4月1日から1%が0.25%になり、保険料が高くなるので、低解約終身保険などの問い合わせが多くて忙しく、残業も多かった。

普段なら「何の数値が悪かったの?」と尋ねるだろうけれど、その時は本当にくたくただった。「そうなんだー」と答えただけで、そのあと洗い物を続けたことを覚えている。一日中、保険のことばかり話して、クタクタで、早く寝たい、とそう思っていた。

 

それから4月に入り、夫がまたその話題を持ち出した。「そういえば、検査の結果について、何も言ってこないけどどうなったんだろうね」と。

私は特に深く考えず「便りがないのは良い知らせ、なんじゃないの?」と答えた。「そうだよね、悪かったら言ってくるよね」と、夫。

そして、私たち夫婦は夫の検査のことについてすっかり忘れてしまった。なぜなら、そのあとすぐに、夫の母が入院したからである。

 

朝一番で、夫の母が救急車で運ばれたと連絡があり、私は出勤前に病院へ寄り、帰りにも寄って、あれこれと必要な品をそろえたり書類を書いたり。

近所の人や弟夫婦も手助けしてくれたが、やはり長男の嫁なので出来るだけのことはしたい。非常事態と考えて、少しばかり無理をしたかもしれない。さらにクタクタになった。

5月の半ばには小旅行も予定していたが、正直なところ中止にしなけらばならないかもしれない、と思っていた。

 

検査結果を見てびっくり

疲れるとイライラする、誰しもそうだと思うけれど、私も例外ではない。疲れをいやそうと甘いものを食べて自分を奮い立たせる。

ここしばらく疲れることばかりで、甘いものを食べる量が増えていた。

その日も夕食後のおやつを食べながらそろそろ洗い物をしようかと立ち上がったところへ夫が紙を差し出した。

「数値が悪いから、またまた再検査って言われたよ。」

見ると病院へ行ったらしく、新しい薬の袋があった。どれどれ、と検査結果の紙を見ると、検査というのは「血液検査」だった。しかも、素人目にも即座に怖い病名が浮かぶ、恐ろしい数値だった。

 

「え?これって白血球と血小板が多くなってるじゃん。」

血栓ができやすくなるんじゃないか、と思った。狭心症の既往歴があるのでこれは怖い。そして夫がさらにこんな怖いことを言い出す。

「この下の数値ね、これが白血病の時しか出ない数値だっていうんだよね」

それはmetaとmyeloだった。

それが何を意味するのか、その時は分からなかったが、私はとっさに「風邪ひいているんじゃなかったっけ」とその怖い病名を否定できるものを探した。

私は心の中で、そんな大事なことならもっと早くハッキリと教えてよ!と叫んでいた。無関心だった自分を呪うような気持になった。

「うん、確かに風邪ひいているよ。もう一回検査するって言われた。」

夫はその再検査を受け、やはり紹介状を書くから精密検査を受けるように、と言い渡された。それが4月の終わり。

夫は大型連休を「買い物」「ダイビング」「サッカー観戦」と楽しんで過ごした。私はほとんど仕事でしたが。

 

それからやたらとネットで病名検索をして出来るだけ正しい情報を得よう、とたどり着いたのが佐賀大学の木村先生のYouTubeだった。

血液検査の結果だけを見て、どんな病気が疑われているのかを知ろうとネットで調べたのは私だけで、夫はあまり関心を持たない様子だった。私はあちこちで調べた挙句、以下のような予想を立てた。

  • 白血球の増加と血小板の増加
  • 赤血球は正常範囲内
  • BASOの増加
  • meta myeloの出現

これらの条件で想定される病名は・・・慢性骨髄性白血病

自覚症状はなく、検査で偶然発見されるというきっかけが多いということも夫の場合に合致する。

私は昼休みなどにそのYouTubeを見て、慢性骨髄性白血病とはどんな病気なのか、どんな治療をするのか、治療目標はどこに置くのか、今後の生活はどうなるのか、などについて勉強し、考えた。

 

旅行へ行く予定だったけれども、「行く」ことを中止しようかとも考えた。

夫は予定通りに旅行へ行くことを勧めてくれたけれど、たびたび検査に通う夫をおいて2泊の旅行へ行くことは少しばかり躊躇われたので1泊旅行にした。

なかなか予定を知らせなかったので、約束の相手は少しばかり不審に思ったかもしれなかった。

くたくたに疲れ果てていたので、車で行く予定だったけれど、飛行機で行くことにした。

旅行から帰った次の日には、病名告知を受けることになっていた。予想はしていても、重い気持ちを抱えての旅である。

 

私は会いたかった人ふたりに会った後、買い物もそこそこに帰ってきた。

予定の飛行機はパックで最終便を予約していたが変更ができないと言われ、高速バスに乗って帰ってきた。4時間ほどの短縮になったが、5千円ほどの出費となった。

でも、なんとなく買い物でぶらぶらする、なんていう気持ちになれなかったのだ。

 

過酷な治療が待っているのではないか。。。

慢性骨髄性白血病の治療は投薬管理が中心となる。治療は通院での分子標的薬イマニチブ(グリベック)などが第一選択となるらしい。

この薬について、私は仕事でよく「語る」ことがある。それはがん保険を案内する場合に必ず抗がん剤の保障の話をするのだが、今のところこの薬は一生飲み続けることになると言われており、高額療養費制度を利用してもかなりの経済的負担になるという話をするときに引き合いに出す薬なのだ。

 

夫の場合は持病(糖尿病や狭心症の既往歴、脂質異常)があるため、この投薬管理も健康な人とは事情が違う。

骨髄穿刺も痛い検査だけれど、何度も何度も繰り返し行われることになるだろう。

治療によって、体調に変化が起きて今までと同じような体力を保持することは難しくなるかもしれない。

 

そう考えると、私は胸が苦しくなる。夫が人生の喜びとしていることの多くを引き換えにすることになるかも知れない、と思うとつらい。

私が大好きな彼の笑顔が消えてしまうのではないだろうか、と。

 

告知を受ける、5月18日。私は何も手につかず、一日中何かしらを「食べて」いた。食べ過ぎて気持ち悪くなるくらいに、食べ続けた。

 

そして、もしかしたら違う病名を言い渡されるかもしれない、という「期待」と「不安」を抱えながら病院へ向かった。